診療内容について(脳神経内科)|まひ・しびれ・ろれつが回らない(脳梗塞・脳血栓・脳出血)/めまい・ふらつき・嘔吐(脳梗塞・脳腫瘍・良性発作性頭位めまい症・メニエール病等)/頭痛(片頭痛[偏頭痛]・緊張型頭痛・群発頭痛・薬剤の使用過多による頭痛・くも膜下出血・脳腫瘍・その他の二次性頭痛)/物忘れ(アルツハイマー型認知症・脳血管性認知症・正常圧水頭症等)/眼瞼・顔面のけいれん(片側顔面けいれん、眼瞼けいれん、痙性斜頸)/手足の筋肉がつっぱったり痺れる(筋萎縮性側索硬化症・重症筋無力症・多発性硬化症・上肢痙縮・下肢痙縮)/パーキンソン病・橋本脳症

診療内容

意外に多い神経痛

私自身が開業してまず思ったことは、頭痛を主訴に訴える患者さんで意外に多いのは神経痛ではないかということです。神経痛とは脳幹部や脊髄からでてきた末梢神経がいろいろな原因で刺激されることに起因される痛みのことです。その中で最も多いのは身体的・精神的ストレスによる刺激ではないかと思っております。特に痛みやすい神経としては三叉神経と後頭神経が代表的ではないかと思います。img1

三叉神経は顔面および口腔内の知覚を司っており後頭神経は後頭部から頭のてっぺんを経由して額までを司っております。強い針で刺したような、あるいは焼け付くような痛みが特徴です。後頭神経痛では首の付け根から耳の後ろを通るようにし側頭部へピリピリッとした痛みを呈します。原因としては末梢神経への圧迫や炎症などが直接のものとしては考えられますがほとんどの患者さんはそのような原因は見つかりません。つまり前述した身体的・精神的ストレスが起因することが多いのです。ストレスによりセロトニンやノルアドレナリンなどの疼痛抑制の神経伝達物質が減りますそのため神経が過敏性を獲得します。そして痛みのストレスがありさらに疼痛抑制物質が枯渇するという結果になります。まさに痛みの悪循環が始まるのです。

身体的ストレスは姿勢の異常や長時間同じ姿勢でいた後や固いものを枕にして休んだ後などの生理的なものから打撲のような外傷、風邪や中耳炎あるいは貧血や甲状腺などのホルモン異常で出現するものから悪性腫瘍やパーキンソン病などの神経変性疾患で出現するのもがあります。比較的まれだとされているものに椎骨動脈解離や小脳梗塞・小脳腫瘍や頚部腫瘍などがあります。椎骨動脈解離は首の椎骨という骨の中を走る動脈の癖が避ける病気です。動脈癖は内膜と中膜と外膜の三層に分かれており、内膜と中膜あるいは中膜と外膜の間が避けて血液が入りこむ状態が椎骨動脈解離と言います。この疾患の診断は画像診断に頼ります。頭部MRIにて血管を撮影するのです。この時理想的なMRI装置は高磁場(1.5テスラ以上)の装置です。当院にも頭部CTや低磁場MRIにて異常ないと言われた患者さんが当院MRIにて異常が指摘でき総合病院に紹介する例が年に数例あります。この疾患は稀な疾患というより診断されるのが稀だといっても過言でないかもしれません。椎骨動脈解離は血管の中に裂けると(内膜と中膜の間)脳梗塞をきたし血管の外に裂けると致死率40%と言われるくも膜下出血になります。これらの病気を発症してからは診断は簡単ですが予後が悪くなります。後頭神経痛は9割以上は危険でない頭痛ですがそれは症状のみでは鑑別できません。後頭神経痛が出現したら高磁場MRIのある施設に受診されることをおすすめします。

※後頭神経痛は大後頭神経痛と小後頭神経痛と大耳介神経痛の三種類がありますが、お互い合併することがあったり、顔面痛である三叉神経の領域の痛みと合併することがあります。それは脊髄脳幹部にそれらく神経核(神経の本拠地)が接近して存在するからです。

神経痛を治す方法

繰り返し起こる長年の神経痛は一次性(器質的原因がない)の可能性が高いと思いますが、一次性の神経痛の場合は肩こりや首こり、睡眠不足やストレスからくることが多いと言われております。後頚部や肩のマッサージや入浴で首までしっかり温めることが有効です。逆にこれらのことをして増悪したり改善しない頭痛は二次性頭痛の可能性があります。

当院へ画像診断を依頼される先生へ
当院では昨年より以下の検査をしております。ご利用していただけると幸いに存じます。
  • MRI(要予約ですが当日でも可能な場合があります)*頭部MRI MRA VSRAD など*肩関節 膝関節 足関節 手指 頚椎 胸椎 腰椎 など
  • CT(要予約ですが当日でも可能です)*頭部 頚部 胸部 腹部 骨盤部
  • 骨密度(要予約ですが当日でも可能です)腰椎・大腿骨(指示なければ右のみ)
  • 脳波(火曜日と水曜日午前 完全予約)
  • 超音波検査(頚動脈・甲状腺・心臓・乳腺・腹部・下肢静脈など/火曜日と水曜日午前完全予約)

MRIとCTについては遠隔画像診断による放射線科医師の読影結果を検査翌日(翌日が休みの場合は休み明け)午後にFAXにてお知らせいたします。結果画像は患者さんにCDにコピーさせてお渡ししますが所有権は貴院にありますのでよろしくお願いします。

脳波についてはCDにて読み込み判読結果を添付させていただきます(脳波を紙で返却することはできません)。結果は一週間以内に郵送させていただきます(事情によりその場での返却も可能です)。

超音波検査についてはCDにて主要画像の読み込みと判読結果を添付させていただきます。当日にお返しできます(当院からは超音波画像はプリントアウトしません)。

画像診断ファーストチョイス一覧
画像診断依頼時に必要となる書類

頭痛・めまい・睡眠・てんかん・認知症・漢方と専門外来があるため半数以上の患者さんは遠方から来ていただいております。人口比からいうと安佐南区などは比較的、中区舟入(ふないり)の当院から離れているにもかかわらず多くの患者さんが来院されているようです。また中国5県・四国からの来院も最近は増えて来ております。みなさまの期待に応えれる診療を常々努力したく思います。